越前蟹は松葉蟹と違う? ズワイガニのブランドまとめついでにタラバガニ

寒い季節、特に年末年始の味覚の代表として、日本人に好まれているカニ。茹でガニや焼きガニ、カニしゃぶなど、様々な調理法で楽しめます。この時期の旬はズワイガニとタラバガニですが、これら2種類のカニには大きな違いがあります。

先ずズワイガニとタラバガニの違いを知ろう

タラバガニは、実はカニではなくヤドカリの一種で、太い脚が4対8本あり、甲羅は大きくトゲトゲしているのが特徴です。味はやや淡白で大味ですが、太い脚は食べ応えがあります。なお、カニ味噌は基本的に食べません。

一方、ケセンガニ科ズワイガニ属のズワイガニは、細い脚が5対10本あり、頭矮蟹という名前のとおり頭(甲羅)が小さくツルッとしています。味は繊細で、カニ本来の旨味と甘みが強く、味噌も濃厚で旨いです。

ズワイガニの仲間たちを知ろう

ズワイガニ属の仲間は5種が知られていますが、上記のズワイガニ以外に一般に流通しているのは、以下の2種だけです。

ベニズワイガニ

茹でていない状態でも赤いカニです。日本海の特有の種類で、漁獲量はズワイガニの4倍ほど(16千t/年)もあり、代表的な水揚げ港は兵庫県香住、鳥取県境港、富山県などです。身の甘味は強く旨いカニですが、身質がやや水っぽく、ズワイガニと比べるとかなり安価で流通しています。カニを使った加工品はほとんどがベニズワイガニを原料としており、缶詰などに使用されることが多いです。

オオズワイガニ

一般の人には、ズワイガニとの違いはほとんどわかりません。ズワイガニより少し大きく、ズワイガニに付いている事が多い「カニビルの卵」(後述)がなく、歯の形に特徴があります。味もズワイガニより若干劣るとも言われますが、大きくは違いません。

【参考】オオズワイガニとズワイガニの見分け方

ズワイガニのメスは小さく安い

ズワイガニのメスは、オスに比べて体の大きさが小さく、ほぼ常に卵を抱いている状態のため、市場では別物として扱われます。高価なオスに対しメスは遥かに安く、かつては流通もせず、子供のおやつとして地消されていたそうです。

足の筋肉は少なく、内子とみそを味わうもの、と思っていいでしょう。内子は、濃厚な甘さがあって旨いので、茹でた甲羅を二つ割りにして、内子ごとかぶりつくのが結構です。

国産ズワイガニ(主にオス)のブランドをまとめておこう

ズワイガニは4千t/年ほどの水揚げがあり、産地は兵庫1,000t/年、鳥取900t/年、北海道日本海北区800t/年など、日本海側に集中しています。

【出典】農林水産省 漁業・養殖業生産統計

国産もののズワイガニは、松葉ガニ、越前ガニ、加能ガニ、北海松葉ガニなどのブランドと、それ以外の「一般ズワイガニ」に分類されます。漁期は資源保護のため決められていて、富山以西は11月6日に解禁、雌ガニは1月10日まで、オスは3月20日までです。新潟以北は、雌雄ともに10月1日~5月31日です。

一方でズワイガニは、大量に輸入もされています。冷凍ものはロシア、アラスカ、カナダ、グリーンランド、ノルウェーなどから国産の6倍以上(2016年)、また僅かながらロシア領海内(オホーツク海やベーリング海)で漁獲された生ズワイガニも、船で紋別や稚内から輸入されます。こちらは年中出回り、特に日本で禁漁中の夏場に多くなります。

松葉ガニ

ズワイガニのうち、山陰地方(兵庫県北部、京都府北部、鳥取県、島根県)で水揚げされるオス。代表的な水揚げ港は、兵庫の香住、柴山、浜坂、津居山(ついやま)、京都の間人(たいざ)、浅茂川、鳥取の境港、網代、賀露など。漁港毎に間人ガニ、柴山ガニ、津居山ガニなどとブランドが細分・乱立しています。メスはセコガニやコッペガニと呼ばれていて、ブランドではありません。

越前ガニ

ズワイガニのうち、越前地方(福井県)で水揚げされるオス。代表的な水揚げ港は三国、敦賀、小浜など。メスはセイコガニと呼ばれていて、ブランドではありません。

加能ガニ

ズワイガニのうち、加賀、能登地方(石川県)で水揚げされるオス。代表的な水揚げ港は橋立、七尾など。ブランドとしてはまだ日が浅いながら、味はいいです。この地域だけは、メスも「香箱蟹」という名称でブランド化されています。

北海松葉ガニ

ズワイガニのうち、北海道で水揚げされるオス。上の3ブランドに比べるとかなり安価ですが、近年ズワイガニの漁場が北に移るにつれ、力を入れてきているようです。

カニビルの卵が付いた個体を狙え

時折ズワイガニの甲羅に黒いイボ状のものが付いているのを見かけますが、これはカニビルという生き物の卵です。カニビルは魚などの体液を吸って生きる蛭の一種ですが、カニに対しては、甲羅表面を産卵場所に利用するだけで本体に寄生はしません。

カニは脱皮を繰り返して大きくなりますが、脱皮直後は身入りが悪く、旨くありません。カニビルの卵が多く付いている個体は、脱皮後長く時間が経過していると考えてよく、身入りのいい旨いカニを見分けるポイントとなります。

得体が知れない、と気持ち悪がらず、旨いカニだと思って喜んでください!

【参考】ぼうずコンニャクの魚貝類図鑑

食べ方もいろいろ工夫しよう!

刺身

ズワイガニの脚の身を取り出し、赤い膜を剥いて氷水に落とし、5分ほど浸けておくと花が開いたようになります。醤油、ポン酢などでいただきます。舌にまとわりつくような旨みは絶品です。

茹でがに

活きた元気なカニをいきなり熱湯の中へ入れると、カニが暴れたり脚が取れてしまう事があるので、真水に数分動かなくなるまで浸け、カニを失神させてから投入します。海水と同じくらいの濃度の塩を加えた湯を使い、丸のまま茹でましょう。脚を切り取ってしまうと、そこから旨みが出てしまいます。また、味噌が流れ出ないように甲羅を下にします。再度沸騰してから20分ほどで茹で上がります。すぐに冷水に落とし2分ほど浸けておくと、身が締まって旨いです。

焼きがに

ズワイガニの脚をバラし、食べやすいように殻を一部削いで、炭火などで焼きます。茹でガニとは違った香ばしい香りと共に甘い身が楽しめ、これまた絶品です。

カニすき、鍋

ズワイガニは旨みが出汁となって溶け出しやすいので、身そのものを美味しく食べたいなら、煮過ぎないことです。しゃぶの場合は、温まれば十分です。鍋にカニの出汁を移したければ、食べた後の殻を入れておくことをお勧めします。見栄えは悪いですが、非常に上品な出汁が出て、雑炊にすると堪りません。

カニ味噌

ズワイガニは、カニ味噌が旨いことでも知られています。
味噌だけに関しては、毛ガニが最高!という人も多いのですが、味噌と身の総合点で言うと、ズワイガニはやはり旨いカニといっていいでしょう!

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