話題の尽きない「最後の」築地初競り、マグロは昨年の半値以下

豊洲への移転が10月に決定し、築地としては最後となる初競りが、5日早朝行われました。
生マグロの競りは、青森大間産の405kgのクロマグロを仲卸業者やま幸が3,645万円で競り落とし、話題となりました。

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目次

話題の尽きなかった「最後の」築地初競り

今年は話題が、いろいろありました。

先ず、一番マグロが405kgととびっきり大きかったこと、数年続いた異常な値の高騰が収まったこと、それと喜代村の「敗北」です。

釣り上げた竹内さん「まるでウシみたいだった」

出典:河北新報

築地の初競りで最高値を付けたクロマグロは、大間産としては過去2番目の大きさの405kg。「まるでウシみたいだった」。初競りトップが3年連続6回目となる漁師竹内正弘さん(66)が、喜びを語った。

昨年12月28日早朝、普段は1つしか沈まない、はえ縄の浮き球2つが海中深くまで沈んだ。海はいつもと雰囲気が違っていたという。「鳥の鳴き声がうるさかった」。機械の力を借り、15分の格闘の末、巨大マグロを仕留めた。大間産のマグロは100~300kg程度で400kgを超えたのは1994年以来だ。「大間の海にこんなに大きいマグロがいるのかと、びっくりした」と振り返る。

築地市場最後の初競り=マグロ、昨年の半値以下

出典:時事通信

東京・築地市場で5日朝、最後の初競りが行われた。注目を集めたクロマグロの競りは、例年より入荷が多かったため人気が割れ、前年の初荷の半値以下でさばかれた。

同日、卸売場には前年の6割増となる145本の天然マグロが並んだ。一本締めの後、鐘の音を合図に始まった競りでは、1kg当たりの最高値が青森県大間産190kgで16万円、1匹当たりでは405kgの大間産が3,645万円(1kg当たり9万円)で、ともに前年より半値以下だった。

マグロ最高値は3645万円 築地市場で最後の初セリ

出典:テレビ朝日

今年10月に移転する東京・築地市場で最後の初競りが行われました。生鮮マグロ1本の最高値は、青森県大間産で史上2番目の重さとなる405キロの本マグロです。3645万円で仲卸業者「やま幸」が競り落としました。一方、「すしざんまい」の運営会社「喜代村」はキロ単価の最高値となる本マグロを落札しています。築地市場は10月11日に豊洲への移転が決まっているため、初競りは今年が最後となります。

そもそも初競りの「ご祝儀相場」はいかほどか

マグロ初競りグラフ

マグロ初競り表

このグラフは、最近のマグロ初競り最高値の推移を表しています。

2013年の1億5540万円は異常な高額で、「セリで落札されたもっとも高額なマグロ」としてギネスにも登録されましたが、その他の年は概ねキロ単価が10万円未満の水準です。

産地で言うと、北海道戸井産が2011年に一度あっただけで、残りの18年はすべて大間産でした。

落札者で言うと、2008~2011年がやま幸、キロ単価が10万円を超える高値をつけた2012年から昨年までが喜代村です。
今年は7年ぶりにやま幸が返り咲きました。

競りにあたり、飲食店を経営する喜代村は自社店舗で客にふるまうため、仲卸業者は戦略的に組んだ飲食店に代わって競りに参加します。
2008~2011年は、やま幸のバックは板前寿司グループ久兵衛でしたし、今年の場合で言うと、バックはLEOCでした。

築地市場マグロ初競り フードサービス事業を展開するLEOCが最高値で落札

プレスリリース

大間の漁師は初競りに賭ける

年始のTVでは、巨大マグロ初競り戦争!2018~マグロに選ばれし勇者たち~という特番を放送していました。
大間のマグロ漁師や築地仲卸の、初競りに賭ける舞台裏の様子は、なかなか見応えありました。

1億5,540万円をつけたギネスマグロを揚げた延縄漁師(当時36歳、現在41歳)は、一獲千金を手にして緩み切った日々を過ごしてしまい、当時の面影もありません。
また、87歳の大間最長老の一本釣り漁師は、特別なトビウオを餌にして奮闘していますが、体力の衰えや旧式装備の船で、大苦戦しています。

そんな数ある大間のマグロ漁師の中でひときわ輝いているのが、67歳になる山崎倉(おさむ)さんでした。
1997年、98年と2年連続初競り1番マグロを釣った凄腕で、最新機器を操り、攻めの「ぶっつけ漁」を先導する超絶テクニックもさることながら、マグロの好物スルメイカをマグロ漁の前に50杯釣ることを日課としている「大間の鉄人」であり、誰もが出航をためらう時化の海にも船を出す「釣りの鬼」でもあります。
何より、「自分の餌がマグロに認められただけだ」と呟く姿にシビれました。

特選!気になるマグロの店

番組では、やま幸喜代村以外にも築地仲卸「大宮商店」の野口貴弘(34歳)さんも紹介されていました。
この方は、直営店舗で自ら包丁も振るってしまう、異色の仲卸です。
お店に是非行ってみたくなりました。

野口鮮魚店(本所吾妻橋)

そういえば、行きたい店は他にもいろいろあるのでした。
新春に気分の抜けないうちにハシゴするのも、いいかもしれません♪

マグロマート(中野)

ここは、マグロ料理がメインの居酒屋で、Fish Lovers Japan懇意の築地仲卸が卸しています。
品質良さそうだし、安そうです!

近畿大学水産研究所 銀座店

マグロ読本でもご紹介した、「近大マグロ」が食べられる店。
「近大マグロ」とは、技術的に困難だったクロマグロの完全養殖に成功した近大水産研究所が、サントリーグループと提携して出店したアンテナ店舗。大阪店もあります!

弊社ショップネットの魚屋にて、天然本マグロがお求めいただけます!

ネットの魚屋

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