築地市場移転で、惜しまれつつ畳んだ名店「豊ちゃん」の暖簾

5月いっぱいで閉店していたようです。
知らなかった!
大ショック!!

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目次

創業100余年の洋食の名店

大正8年、洋食長豊軒として創業した豊ちゃん。
カツ丼の具が別皿で出てくる「カツ煮定食」が、名物の「アタマライス」でした。
L字のカウンター15人ほどのこぢんまりとした店でした。
メニューは決して安くはないけれど、築地で働く男たちの胃袋を満足させていることが納得できる、流石の旨さでした。

私も、職場が勝鬨橋のすぐ傍にあった頃は、よく通いました。
母親が癌センターで手術した時も、待ち時間に父親や妹を連れて来たっけ。

ネットの情報によると、5月いっぱいで閉店していたようです。
ああ。過去形で書くのが辛い。

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最後に行ったのは4ヶ月前

2月に築地に買い出しに行ったその訪問が、最後になってしまいました。

あなたにもできる!~ 築地の仲卸からお得に魚を買うコツ

今から考えると、東都グリルと迷った挙句豊ちゃんにしたのは、大正解でした。

というか、その時豊ちゃんを選択しなかったらと考えると、夜も眠れません。

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いただいたのは、オムハヤシライス。

いつもこれとトンカツ(と冬場はカキフライも)で迷います。

移転で揺れる老舗の苦悩

豊洲への移転に反対していた前の店主は、2014年8月に一旦閉店を決めました。
その後経営者が変わって暖簾は引き継がれましたが、味は変わってしまいました。
思えば、この時点で豊ちゃんの歴史は、既に幕を下ろしていたのかもしれません。

もちろん背景にあったのは、築地市場の豊洲への移転。
2014年というのは、延期措置が取られる前の移転のタイミングです。

今回の閉店は、恐らく本当なのでしょう。築地の各店舗は基本豊洲での新店舗開店を決めていますが、豊ちゃんはその名簿に記載がないのです。

誰が悪いのか、という点は一旦棚上げするにしても、こういう文化が途絶えてしまうのは、ものすごくさびしいことです。

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この写真は、2013年当時のオムハヤシ。
だいぶ趣が違います。

かすかな希望があれば生きていける!

嬉しいことに、豊ちゃんの厨房にいらした方が、高円寺で出店されているようです。

食べたいお客さんが居て、提供できる職人の腕があれば、暖簾はともあれ、文化は受け継がれるということですね。

コメント

  1. debux2 より:

    そう言えば「五月末閉店」と聞いていました・・・
    私にとって、トンカツのスタンダードは豊ちゃんでした。一押しは「ないアタマ、十文字」=脂身の少ないところを使って揚げたトンカツを十文字に切ってアタマに仕上げてもらうのでした・・・
    ああ、また一つ昭和が消えていく・・・

  2. souxouquit より:

    debux2さん!
    そうですね。またひとつ昭和が消えていく感じでさびしい限りですね。

  3. 荒井正慶 より:

    文章が矛盾していますね。
    経営者が変わった時点で「味が変わった」、「見た目も変わった」と言っておきながら「消えてしまった」と残念がる?
    味や見た目の変わった料理を出していた人がやっていたお店を、懐かしさだけで紹介?
    また、「誰が悪いかはおいておいて」って、それは店舗の運営者でしょ。
    ご自身も書いているように、他の多くのお店は移転しています。経営努力が体内だけですよね。

  4. Fish Lovers Japan より:

    荒井正慶さん!
    コメントありがとうございます。
    自分では矛盾とは思っていません。味や見た目が変わったことに戸惑いはしたものの、市場内の豊ちゃんの佇まいが好きだった、ということなんでしょうね。私は、移転しないのが悪で、それは経営努力が足りないだけで、と簡単に切り捨てる気になりませんでした。頑張ったんだけど移転するには至らなかったんだろうな、と。

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